#10 聖ヒルデガルトの柩の担ぎ手からの素敵な贈り物 〜 2025年 聖ヒルデガルト帰天祭レポート 〜
- 森 Wenzel 明華

- 10月5日
- 読了時間: 8分
こんにちは。ドイツ自然療法スクール / ヒルデガルト・ファミリエ 主催、一般社団法人 国際植物療法機構グリーンフォレスト代表の 森 Wenzel 明華 (もり・うぇんつぇる さやか) です。
わたしは 20 年以上にわたって、様々な自然療法を研究し、実生活の中で実践しています。
ドイツには、聖ヒルデガルトという約 1,000 年前に活躍した自然療法の基盤を築いた修道女がいました。
その教えは、今なお多くの人々に時代を超えて愛され、ドイツの自然療法や教育にも影響を与えています。
医師、博学者でもあった聖ヒルデガルトは、自然と調和した生活を重視し、
薬草や自然療法に関する貴重な知識を残しました。 こちらのヒルデガルト・ファミリエ通信では、その聖ヒルデガルトの残した自然療法や考え方を、わかりやすくお伝えしています。
もっと多くのかたに聖ヒルデガルトの智慧やドイツ自然療法のことを知っていただけたら、嬉しいです!
それでは、第 10 回目のコラム、聖ヒルデガルトの柩の担ぎ手からの素敵な贈り物
〜 2025年 聖ヒルデガルト帰天祭レポート〜 をお届けします。

私の中では、聖ヒルデガルトの帰天祭が終わったら、ドイツでの本格的な秋が来る···という感覚があります。
空気がひんやりと冷たくなって、しっとりとした湿気を帯び、木々や落ち葉の香りがしてきます。
木の葉も舞うように地面に還っていきます。
深呼吸すると、シャキッとした気持ちになります。
夏の浮き足だった明るさは潜み、どんどんと日が短くなっていきます。
少し寂しさも感じる季節がはじまりました。

2025 年も聖ヒルデガルトの地へ行ってまいりました。
9月17日は、ドイツ自然療法の母、聖ヒルデガルトが天に召された日です。
この日は聖ヒルデガルト巡礼教会、聖ヒルデガルト修道院の教会でセレモニーが行われます。
一年に一度だけ、聖櫃 (聖ヒルデガルトの聖骨が入っている黄金の棺) に直接、手を触れて祈ることができるのです。
今年は日本から千紘さんというお料理が大好きな方が参加されました。
息子さんはミュンヘンの美大で学ばれているので、息子さんも飛び入り参加。
お天気にも恵まれて、25 度くらいの爽やかな晴天の空の下、
聖ヒルデガルト修道院の朝のミサに参加して、丘を下って聖ヒルデガルト巡礼教会へ。
(2 つの教会をこの日は丘を上ったり、下ったりと行き来します)

前回の 7 月は、父が亡くなった時に、この聖ヒルデガルトの修道院の教会を訪れました。
その時は、教会の天井に描かれたフラスコ画の手を広げたイエス様に見守られているような安堵した気持ちになりました。
そばに父がいるのを感じ、涙が止まらなかったのですが、
今回はイエス様はにこやかに見守ってくださっている、そんなほっこりした気持ちで祈りの時を持ちました。
その時々で、どんな心や身体の状況でも···
いつも優しく受け入れて、見守ってくれています。

今回、聖ヒルデガルトの帰天祭では、セレモにーの後、
いつものように順番に聖櫃に触れて、各自、祈りの時間を持ちました。
各々、教会の好きな場所に座って、ぼーーーっと佇んだり、祈っていたりしたんです。
すると···ホームステイに来られている千紘さんの息子さんが、
いきなりガードマンというか、聖櫃の担ぎ手の方に声をかけられていたのです。
(どうしたのかな??)
あまり気にも留めていなかったのですが···
みんな一通り、落ち着いたところで、教会の外に出ました。
それで話していると···
美大生の息子さんが「男の人が、この布をくれたんですよ」
と言って見せてくれたのは、刺繍のはいった緑色の美しい布でした。
。

正方形の布で、大きさはハンカチくらい。
綺麗に正方形におられていて、そのラベルには封蝋までしてあって、
その裏には説明文も印刷されていました。
その布は特別な贈り物として、この日を記念して、聖ヒルデガルトの聖櫃の担ぎ手 4 名が選んだ人に渡すものだそうです。
転売は禁止されており、同じ聖徒に譲ることはしてもいいということでした。
聖櫃に触れた布だそうです。
ヒルデガルトのエネルギーが宿っているに違いありませんよね。
緑色の麻布 (っぽかった) に美しい刺繍と 2025 年の聖ヒルデガルト帰天祭記念という文字も刺繍されていました。

「急に話しかけられて、これを渡された」 「え~!こんなのはじめて見た~~!」
「うわぁ!素敵だね~!」
としばし全員で感動。
はるか彼方からやってきた 20 代のアジア人の男子が真摯に棺に祈っている、
というのは、担ぎ手からしても、きっと心打たれる光景であったのでしょう。
そして、聖ヒルデガルト様がきちんと理解されて、働かれたのだと感じました。
ドイツに息子に会いに来た母親とわざわざ待ち合わせて、
聖ヒルデガルト修道院や帰天祭に付き合ってくれるなんて、優しい。
その親孝行の気持ちを神様は必ず見てくれている、理解してくれているんだなぁって感じました。
魂の輝きを天ではみることができる。
表面上はわからないことも、
真の魂の清らかさを天は理解してくれているのでしょう。

ホームステイに来られた千紘さんの息子さんは
ミュンヘンで美大生として約 1 年ドイツで一人で暮らしています。
彼の描いた絵を前日に見せてもらったのですが、
まさに「緑の世界」だったのです。
美しい自然の中の水槽···という不思議な絵。
人間界の評価はどうであれ、
きっとこれから彼自身の個性を開花させ、作品に自己を表現していかれるのでしょう。
個性が輝く時、魂は健康で輝くのです。
布の贈り物は、そのサインなのだと確信しました。
「聖ヒルデガルトから贈り物だねぇ」
じ~~~んと胸が熱くなりました。
そんな素敵な奇跡があった 2025 年の聖ヒルデガルト帰天祭でした。

それから一路、ディジボーデンベルクへ。 ここは小高い丘の森の中にある修道院跡地の遺跡です。
森の中を抜けていくのですが、ちょうど今年は、いろんな秋の実りが豊作でした。
それで遺跡に向かう山道は、胡桃がぽとり、ことん!と幾つも落ちてきて。
ドライブを担当してくれた友人と思わずエコバックいっぱいになるまで拾いました。
森の中は静かで、そして 「Viriditas 緑の力」に満ちていました。
ここでまた各自静かに瞑想したり、ゆったりと佇んだりして···
平安の時間を過ごしました。
そんな秋の収穫と、素晴らしい贈り物を受け取った聖ヒルデガルトの帰天祭でした。
そして聖ヒルデガルトは純粋に求めれば、いつも道を示し、導いてくれる。
そう確信しました。
天に向かって (というとちょっと宗教ぽく聞こえてしまうかもしれませんが)、
その想いや働きが天に向かっていれば···。
エゴや私利私欲でなければ、もちろん家族のためにっていうのも、もちろん天に向かっています (あ、そこにエゴがない限りは···) 。
そんなメッセージを受け取りました。

父の死と限りある生命
メルマガでは幾度か書いていますが、今年 (2025年) の 7 月に父が天に旅立ちました。
父の死は静かに私の心や魂に沁み込んで、
この命には限りがあるという気づきというか、種みたいな場所ににようやく到達した感覚があります。
今を生きる、といいますが、ついついわたしたちは、いろんな時間を彷徨っていますよね?
過去や、未来、妄想とか··恐怖とか···。
父の生と死のおかげで、(父は好き放題やりたいことをした人生だったので。笑)
今を生きることを精一杯していきたいと思いました。
今年の聖ヒルデガルトの帰天祭では、余計なノイズがとれて、
心と魂がすっきりとクリアになって平和に穏やかに過ごせました。
ありがとうございます。
そして聖ヒルデガルトの修道院の教会で、帰天祭で、そしてディジボーデンベルクの丘から、
みなさんの健康と平安を祈りました。
いつも天と、聖ヒルデガルトのご加護がありますように!!

2025年11月から「聖ヒルデガルトの自然学·宝石療法認定講師講座」がはじまります。
私も聖ヒルデガルトの宝石療法を知って、各宝石の持つ個性と癒やしを理解し、使いこなせるようになって、暮らしがすごく豊かになりました。
薬草や身体の動き、そして星座や星、地球と繋がることができるのが、聖ヒルデガルトの宝石療法です。
聖ヒルデガルトの教えをもとに、世界的に有名なオイリュトミストのはたりえ先生と今回も、4 期目となる宝石療法の講座を開催します。
「聖ヒルデガルトの自然学·宝石療法認定講師講座」ご案内はこちら https://www.hildegardfamilie.com/instructor-course4
「聖ヒルデガルトの自然学·宝石療法認定講師講座」お申し込みフォームはこちら

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家庭でのセルフケアだけではなく、地球と共に健康に生きる方法をお伝えしています。
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第 10 回目のヒルデガルト・ファミリエ通信のまとめ
聖ヒルデガルトの柩の担ぎ手からの素敵な贈り物
・心を澄ませ、自分の内なる声に耳を傾ける時、 私たちは導かれ、進むべき道を自然と見いだすことができます。
・奇跡は特別な場所だけにあるのではなく、真心をもって祈り、感謝し、生きる瞬間の中にすでに宿っています。 私たち一人ひとりの魂が光を放つとき、世界もまた優しく輝き始めます。
・限りある命の中で、いまをどう生きるか。それは、与えられた時間を丁寧に受け取り、 愛と感謝をもって日々を重ねていくこと。
聖ヒルデガルトの教えは、その一歩一歩を照らし続けています。





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