#5 癒やしの涙とは?〜 聖ヒルデガルトの言葉から 〜
- 森 Wenzel 明華
- 4月1日
- 読了時間: 6分
更新日:4月5日
こんにちは。ドイツ自然療法スクール / ヒルデガルト・ファミリエ 主催、一般社団法人 国際植物療法機構グリーンフォレスト代表の 森 Wenzel 明華 (もり・うぇんつぇる さやか) です。
わたしは 20 年以上にわたって、様々な自然療法を研究し、実生活の中で実践しています。
ドイツには、聖ヒルデガルトという約 1,000 年前に活躍した自然療法の基盤を築いた修道女がいました。
その教えは、今なお多くの人々に時代を超えて愛され、ドイツの自然療法や教育にも影響を与えています。
医師、博学者でもあった聖ヒルデガルトは、自然と調和した生活を重視し、
薬草や自然療法に関する貴重な知識を残しました。 こちらのヒルデガルト・ファミリエ通信では、その聖ヒルデガルトの残した自然療法や考え方を、わかりやすくお伝えしています。
もっと多くのかたに聖ヒルデガルトの智慧やドイツ自然療法のことを知っていただけたら、嬉しいです!
それでは、第 5 回目のコラム、癒やしの涙とは? 〜 聖ヒルデガルトの言葉から 〜 についてお届けします。

あなたの魂が真に癒やされた時、その喜びは涙となって現れる
これは中世に生きた修道女・聖ヒルデガルトの残した言葉です。
ヒルデガルト・フォン・ビンゲンと言えば、
ドイツでは知らない人はいないほどの有名な女性です。
聖ヒルデガルトは、1000 年前に生きた修道女で、
2012 年に聖人の中でも特に学識に優れた聖博士に列せられました。
女性の地位などが無いに等しかった中世において、薬草療法だけでなく、ストーンセラピー、食事療法、芸術面では戯曲などの作詞作曲、歴史研究、執筆、絵画など多岐にわたって活躍した女性です。
まさにスーパーウーマンだったのです。
現代社会において、聖ヒルデガルトが注目を浴びているのは、1000年前の「聖女」が、女性でありながら自分の意思と生き方を貫いたこと、そして「ホリスティックな医学」を実践していた人でもあったからなのです。
心と身体、魂の繋がりについてのことを、薬草療法や生き方の指針などを書いた
『Physica / フィジカ (自然学)』や『病因と治療』の中でも多く述べています。

さて、前述の彼女の述べた「魂の癒やし」である涙とは、どんなものなのでしょうか?
そんな涙を流す体験をした方も、こちらのサイトや私のブログを読んでくださっている読者の方の中には、いるのではないかと思います。
「魂の癒やし」と言うと、よくわからないかもしれませんが・・・
例えば
大自然の壮大さに心から深く感動した時
何かの瞬間に、過去の悲しみが癒されたと感じた時
生かされているということに感謝の念が湧いてきた時など。
私たちの魂は、地球・宇宙と繋がることができるのではないでしょうか。
それは一人ひとり、異なった体験になるでしょう。
そのや癒しが起こる時というのは、私たちの魂は、地球・宇宙と繋がっているのではないでしょうか。

私自身も、そんな体験をしたことがあります。
昔、悩んでいることがあって、暗く鬱々とした気持ちで、散歩をに出かけた時のことでした。
河原へと続く淡い春先の草原の中で、じっと肌寒いのを我慢し、立ち止まって考えていると、
ふと、ある瞬間に、太陽の光が差し込んで、
その周囲の自然が、一変して、光り輝いて見えたのでした。
それは自然の中に、神性がエネルギーとして宿るというような光景でした。
まるで自然が優しくわたしを慰め包んでくれているかのように 1 本 1 本の草花たちがキラキラと輝き、わたしはこの世界との、地球との、深い一体感を感じました。
すると不意に涙が自然にポロポロとこぼれてきたのです。
あぁ、自分が悩んでいる事なんて、なんて小さな事なんだろうと、すう~~っと心が軽くなった経験がありました。
世界のどこにいても、わたしはいつも地球と宇宙に繋がっているんだなと。
だから、なにも心配はしなくてもいいのだと。
心が泉だとすれば、癒された喜びは、肉体に涙として溢れる
そう聖ヒルデガルトも伝えています。
わたしは ヒルデガルト・ファミリエ / Hildegard Familie という自然療法スクールを運営しています。
聖ヒルデガルトも使っていた薬草、宝石、そしてホメオパシーや生命組織塩、フラワーエッセンスなどの波動療法など、様々な自然のお手当をレッスンしています。
各レッスンでは、お一人、お一人との個人コンサルテーションを必ず開催します。
健康の悩み相談から、楽しいお話、専門的な知識や体験談・・・
話の内容は多岐にわたります。
中世のヒルデガルトの時代も、修道院というのは祈りの場だけではなく、庶民にとっては病院や相談所のような場を兼ねていました。
その当時、医者にかかれるのは、王侯貴族など特権階級の人々だけだったからです。
聖ヒルデガルトの書き残した本を紐解くと、様々な階級の人たちとの交流があったことがわかります。
彼女は貴族出身で、その当時、修道院は貴族の子弟しか入ることができませんでした (のちに変わっていきます)。
しかし農民や商人、同じ修道女、僧侶、貴族、王族・・・
彼女は多くの人の心・体・魂を実に冷静に、そして愛をもって観察していたことが理解できます。
病気だけでなく・・・
苦しんでいる人、悩んでいる人の声にも聖ヒルデガルトは
静かに、優しく、時に厳しく・・・
耳を傾けたのでしょう。

聖ヒルデガルトは「幻視 /ヴィジョン」を見ることがありました。
それは神の領域にアクセスして・・・・
現代風にいえば「チャネリング」して、アドバイスすることもあったのでしょう。
そんな時、悩む人、苦しむ人の 心に、魂に、言霊が響いた時、
その人々が「魂からの涙」を流すのを、彼女は何度も体験したのではないでしょうか。
あなたの魂が真に癒やされた時、その喜びは涙となって現れる
魂からの涙は、予期せずにポロポロと温かく、とめどなく溢れてきます。
心にあった重しや、苦しみの感情から解き放たれ、
それが涙という形として外に出て・・・流れて、浄化されていく。
まるで気持ちの良い浄化の洗い流してくれる雨のような涙。
自然療法では涙を流すことは、とても大切な癒やしのプロセスだと捉えます。
泣くことは大切な感情表現なのです。
過去のトラウマや傷の浄化・デトックスがされていると考えるからです。
心理学的にもそのメカニズムは解明されていますが、聖ヒルデガルトはすでに 1000 年前に観察とスピリチュアルな能力によって、それを魂から理解していたのでしょう。
あなたは最後にいつ、涙を流したでしょうか?
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第 5 回目のヒルデガルト・ファミリエ通信のまとめ
「癒やしの涙とは? 聖ヒルデガルトの言葉から」
・中世に活躍した修道女ヒルデガルトは、薬草や芸術、魂の癒やしに至るまで多方面にわたり功績を残し、現代でも「ホリスティックな生き方」の象徴として多くの人に影響を与えています。
・聖ヒルデガルトの言う「魂の癒やしから溢れる涙」とは、自然や祈りの中で心が深くゆさぶられたときに訪れる、無意識の喜びや感動の表れとされています。
・自然療法の観点でも、涙は感情のデトックスであり、トラウマの解放や癒やしの過程として、とても大切にされています。
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